マンションの契約後、
引き渡し(決済)の際に行うこと
について詳しく知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
この記事の内容
マンションの購入時の契約のフローの最後に、「決済(残金の支払い)」と「物件の引き渡し」があります。その内容と、注意点について、わかりやすく解説しています。
マンションを購入した際に、手続きの最後に、
物件の引き渡し(決済)
を行うことになります。
ちなみに、マンション購入の全体の流れとしては、下記のフローになります。
一番最後の項目が、
マンションの引き渡し(決済)
です。
その際に、
・権利書(登記識別情報)等の確認
・売主さん側の印鑑証明書と実印、本人確認書類(免許証等)
・住宅ローンの実行と、残代金の支払い
・その他の経費関係の支払い、清算
・所有権移転登記に必要な書類の記載
・物件の鍵の受取り
・物件に関する資料の受取り
を行います。
マンションの引き渡し(決済)の際に行うこと
マンションの引き渡し(決済)の際に行うことについて、下記に順に説明していきます。
1.司法書士さんによる物件の権利書(登記識別情報)の確認
まず最初に、司法書士さんに売主さんの権利関係の書類の確認をしてもらいます。
これは、非常に重要です。
当日、残金の支払いの手続きをする前に、
必ず、権利関係の書類の確認
します。
万が一、権利関係の書類に不備があるのに、残金の支払いをしてしまうと、
お金だけ売主側に行って、所有権移転ができていない、また、結果、住宅ローンの抵当権の設定もできない
ということになってしまいます。
実際、売主さんが、
当日、登記簿を、権利証(登記識別情報)の書類と勘違いして持ってくる
ということもあります。
もちろん、通常、売主側の不動産会社が事前に手元に書類があるか確認しますが、確認がしっかりできていない場合も想定されます。
ですので、まず当日最初に行うことは、
司法書士さんによる売主の権利書(登記識別情報)の確認
になります。
2.売主さん側の印鑑証明書と実印、本人確認書類(免許証等)
司法書士さんが、法務局で所有権の移転登記の際に、
売主さんの委任状と印鑑証明書
が必要になります。
委任状は、当日に記載してもらいますが、
実印での押印と、印鑑証明書
が必要となります。
その際に、売主さんの本人確認も必要です。
ですので、権利書(登記識別情報)の確認とあわせて、実印と印鑑証明書も確認します。
印鑑証明書は、発行から3ヵ月以内のものになります。
本人確認は、司法書士んさんが免許証などで本人確認をします。
※売主さんが必要なものは、売主側の不動産会社が事前に伝えておきます。
※また、マンションの鍵の受け渡しは、通常、売買代金の支払いが済んでからになります。
3.住宅ローンの実行と、残代金の支払い
上記の所有権移転の為の書類関係が揃ったことを確認できたら、住宅ローンの実行をして、物件の残金を売主さんに支払う段取りをします。
また、通常、銀行の担当者も、所有権移転関係の書類に不備が無いか、司法書士さんに確認をとってから、住宅ローンの実行を行います。
金額が高額ですので、通常は、振込みでの対応になりますので、振込み伝票に記載して手続きします。
また、現金での支払いの場合も、同様に、振り込みの手続きをします。
4.その他の経費関係の支払い、清算
残金の支払いの際に、他の経費関係の手続き等もあわせて行います。
通常、下記の項目の支払いをします。
内容は、事前に不動産会社の担当者がまとめているはずですので、事前に内容を確認させてもたったほうが良いでしょう。
諸経費の内容
■売主さんに対して
・固定資産税、都市計画税の清算金
(その年の行政の支払いは、売主が行いますので、日割りで清算します)
・管理費、修繕積立金の清算金
(口座引き落としの手続きがすぐできませんので、必要分を清算します)
■司法書士さんに対して
・所有権移転登記費用
■不動産会社に対して
・仲介手数料
※当日、火災保険の手続きをする場合は、その費用
5.振込み手続き後、売主さん側に着金確認できるまで、待ちます。
お振込みの手続きの後は、残金が売主さん側の口座に着金するまで待ちます。
売主さん側の、「口座にお金がはいったことの確認」が必要になります。
売主さん側の銀行が、同じ銀行の場合は比較的早いですが、銀行によっては、確認まで1時間以上かかる場合もあります。
特に、月末などの場合は、時間がかかってしまいます。
マンションについての質問事項がある場合も、この時間を使って疑問点を解消しておきましょう。
6.有権移転登記に必要な書類の記載
所有権移転登記の手続きに必要な書類(所有権移転登記の委任状など)に関しては、
司法書士さんが用意
しています。
振り込みの確認ができるまでの待っている間に、それらの書類に、売主側、買主側が、必要な書類に署名捺印を行います。
7.マンションの鍵などの受け渡し
売主さんの口座への着金が確認できた後は、
領収書
や、
マンションの鍵
関連書類(マンションの管理規約などの書類など)
をもらいます。
残金の領収書は、コピーをとって銀行に提出する必要があります。
また、鍵に関しては、売主さんのお手元のある鍵を全部もらいます。念の為、紛失した鍵があるかどうかも確認しておきましょう。
念の為、引き渡し後にシリンダーを交換したほうが良いでしょう。
「引渡し確認書」に売主、買主が署名、捺印をして、決済が終了し、解散になります。
この後、司法書士さんが法務局に行って所有権の移転手続きをします。
概ね、2週間前後で、登記識別情報(権利書)ができあがってきます。
登記識別情報(権利書)の送付先も、司法書士さんに伝えておきましょう。
また、
管理組合等の手続きに関する書類の記入
も忘れずに行っておきましょう。
管理組合への提出書類に、売主側、買主側それぞれ署名捺印が必要なものもありま。
管理組合に提出する書面は、通常は、不動産会社の担当者が用意しますが、事前に準備しておくように確認しておくと良いでしょう。
補足;売主さん側に住宅ローンの残債がある場合
売主さん側に、住宅ローンの残債があり、決済当日の残金で残債を支払う場合は、司法書士さんに、
当日、抵当権の抹消の手続き
も行っていただきます(この費用は、売主負担です)。
その際、司法書士さんは、当日、法務局の他に、売主さん側の残債のある銀行にも行っていただく必要があります。
ですので、売主さん側の住宅ローンの残債がある場合は、決済の時間を午前中の早めに時間にするほうが安全です。
まとめ
マンションの引き渡し(決済)は、不動産会社が段取りを行いますが、当日の流れに関しては、買主としても、把握しておくと安心です。
スムーズに取引が行えるように、上記に記載したような
手続きの各内容
をご認識された上で、当日の手続きを行うようにしましょう。
また、決済を行う場所については、住宅ローンでマンションを購入する場合、
住宅ローンを組んでいる銀行
で行います。
銀行に、売主や不動産会社の担当者、司法書士さんが集まって進めます。
以上、「マンションの引き渡しの際に行うこと」についての説明でした。