マンション購入で住宅ローンを組む際に、
銀行選び
についての注意点について知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
住宅ローンでマンションを購入する際に、どの銀行で、住宅ローンを組んだらいいのか?という問題があります。住宅ローン時の、銀行選びのポイントについて解説しています。
マンションの購入時の住宅ローンについて、どこの銀行を選べば良いのでしょうか。
選択肢としては、下記になります。
・従来からの金融機関
都市銀行
地方銀行
信用金庫
農協(JA)
ろうきん(中央労働金庫) 等
・ネット銀行
楽天銀行
ジャパンネット銀行
住信SBIネット銀行
auじぶん銀行
イオン銀行 等
・フラット
銀行や専門の取次店が窓口となります。
それぞれの特性がありますので、順に説明していきます。
従来からの金融機関の場合
近くの銀行で、住宅ローンを組むのが、一番、一般的な方法です。
その際に、特に、現在取引がある銀行に限らなくてもOKです。
お客さんから、
「普段、取引のある銀行で住宅ローンを組んだほうがいいのでは」、
とのご質問を受ける場合がありますが、特に、現在お取引がない銀行で住宅ローンを組んでも、全く問題はありません。
ただ、住宅ローンを組む際は、通常、
給与の引き落とし
をその銀行にすることが求められます。
ですので、その際、お勤め先に、給与のお振込先の変更が必要になります。
では、具体的に、どのような視点で選べば良いのでしょうか?
主なポイントとしては、
・住宅ローンの条件の良い先
・銀行のロケーション
になります。
従来の金融機関を選び際のポイント
住宅ローンの条件の良い先
住宅ローンの条件とは、
金利
と、
その他の条件
です。
■金利について
金利に関しては、金融機関のホームページにその数値が掲載されていますが、実際は、
借りる人の属性等
によって、数値が異なります。
ですので、金利がどれくらいになるのかは、事前審査を出した結果を見ないと、わかりません。
また、金融機関のよっても、金利の数値が異なってきます。
一般的には、金利の検討の際には、
複数の金融機関に事前審査の書類
を出して、比較して決めるということになります。
もちろん、既に、金融機関を決めている場合は、その必要はありません。
また、複数の金融機関に事前審査をだした場合、通常は、各行の金利差につて、そこまで大きな開きはない場合が多いです。
その他、
お勤めの会社の提携先銀行
があれば、金利優遇のある可能性もありますので、確認しておかれると良いでしょう。
同様に、労働組合に加盟されておられる場合は、ろうきん(中央労働金庫)を選択される方もおられます。
■その他の条件
金利以外の条件としては、例えば、
・借入額の減額の有無
・他の借り入れ(車のローン等)がある場合、その返済が条件になる
といったような場合です。
住宅ローンの事前審査の際には、
所得に対する返済能力
をみられることになります。
その際に、所得に対して、借入希望額が大きいと、
借入額を、〇〇万円減額するといった条件
がついたり、あるいは、
他に組んでいるローンを先に返済しておくことが条件
になる場合があります。
また、これらの判断は、金融機関によって異なる場合がありますので、そういう意味でも、
複数の金融機関で事前審査を出しておく
ことで、条件面をみての検討がしやすくなります。
銀行のロケーション
住宅ローンを組む際には、通常は、上記にも記載したように、
給与口座を、その金融機関にする
ということが必要となります。
ですので、その金融機関が、なるべく、
便利な場所にあること
が望ましいと言えます。
その他の注意点
正社員であること
住宅ローンを組む際には、いくつかの条件があります。
例えば、
基本、正社員で社歴が1年~3年以上(銀行によって異なります)の条件
がある場合が多いです。
ただ、金融機関の中には、社歴が短くても、
会社の給与証明書(年間)
があれば、対応してくれる場合もあります。
また、契約社員や、派遣社員の場合は、従来型の金融機関では難しい為、
フラット(住宅金融支援機構)
での検討となります。
団体生命保険
住宅ローンを組む際には、
団体生命保険
に入ることが必要になります。
その際に、
3年以内に大きな病気をしている場合
は、団体生命保険にはいることができなくなってしまいます。
住宅ローンの事前審査の際には、疾病のことは聞かれませんので、注意が必要です。
詳しくは、下記ページに記載しています。
金融機関と提携している保証会社の審査
住宅ローンの審査については、銀行の審査の他、
銀行が提携している保証会社の審査
があります。
ですので、例えば、複数の地銀に事前審査をだした場合、
同じ保証会社が審査すると、審査結果が同じになる可能性
が高くなります。
信用金庫は、信用金庫向けの保証会社を使いますので、地銀で事前審査がNGの場合でも信用金庫でOKになる可能性もあります。
例えば、複数の地銀に事前審査を出す際には、どういった保証会社の審査をするのかを確認しておくと、効率的です。
地銀の中には、「プロパー」と言われる、
保証会社を使用せずに、金融機関が自社でリスクを負担して貸し出す
金融機関もあります。
その場合、保証料がかからない代わりに、手数料が若干高めにはなります。
事前審査の書類提出
銀行は、土日がお休みですが、銀行によっては、住宅ローンの専用窓口を設けている場合もあります。
その場合は、土日でも対応してくれます。
また、銀行によっては、
住宅ローンの事前審査書類を不動産会社経由で受け付けてくれる先
もあります。その場合、土日で手続きできますので、便利です。
但し、都市銀行は、お客様ご自身で窓口に行く必要があるケースが多いです。
ネット銀行
ネット銀行の場合、一般の銀行と比べると、相対的に、
金利が低い
というメリットがあります。
(もっとも、一般の銀行の金利も、かなりの低金利にはなっています)
ただ、下記のようなデメリットもありますので、それを踏まえての検討になります。
住宅ローンの事前審査の精度が低い
ネット銀行の場合、従来の金融機関に比べて、
事前審査はOKでも、本審査でNGになる確率が高い
と言われています。
つまり、事前審査の内容が、比較的、簡易な為(精度が低い)為、本審査でNGになる可能性が相対的に高くなる可能性があるということです。
もちろん、それぞれのネット銀行によっても状況も異なりますし、一概には言えない部分があります。
しかしながら、売買契約の流れ上、そのことが影響してくるケースがあります。
マンションの売買契約の条件に、
「住宅ローンの事前審査が通っていること」
があります。
つまり、金融機関の事前審査が通っていることを確認してから、売買契約を取り交わす流れになります。
ただ、ネット銀行の場合、
事前審査の精度が低いケースがある
為、結果、
売買契約の条件として、従来の金融機関の事前審査を通しておく
ことを求められる場合が多いということです。
ですので、その場合、ネット銀行で住宅ローンを組む予定でも、
並行して、従来の金融機関での事前審査も行っておく
ということで対処します。
また、場合によっては、
ネット銀行の本審査でNGがでてしまった
際には、事前審査がOKだった従来の金融機関のほうで本審査を行う流れになります。
本審査や住宅ローンの実行手続きに、日数を要する場合がある
その他の注意点としては、ネット銀行の場合、
本審査から住宅ローンの実行の期間
や
住宅ローンの実行の手続きに要する期間
が、一般の銀行より長い場合が多いということがあります。
ですので、売買契約に記載する日程について、そのことを踏まえて、余裕をもって記載をしておく必要があります。
例えば、通常、売買契約書には、
住宅ローンの特約条項
として、万が一、住宅ローンの本審査がNGの場合、売買契約を白紙解除するという項目を入れます。
そして、その条件が有効な期限も記載しますが、その期間を越えて、本審査がNGになった場合は、
違約金の対象
となり、かなりのリスクとなります。
また、同様に、物件の決済、引き渡しの期限日も記載しますが、こちらも、その日程を超えると違約の対象となる可能性があります。
ですので、ネット銀行の場合、
本審査に要する期間や、住宅ローンの実行に要する期間
には、注意が必要となります。
そういったリスクがある場合は、従来の金融機関で対処するほうが安全と言えます。
手数料
ネット銀行の場合、保証料が不要なケースもあります。
その代わり、借入額に応じた手数料が発生します。
借入額によっては、
従来の金融機関を使った場合の保証料
と比べて、
ネット銀行の手数料が高額になる可能性
もあります。
ですので、事前に、諸経費面もチェックしておかれることをお勧めします。
ネット銀行への手続きは、全てご自身で行う必要があります
一般の銀行の場合、不動産会社が間にはいって、調整してくれる場合もありますが、ネット銀行の場合は、
手続きをすべてご自身で行う必要
があります。
売買契約に記載の日程までに、本審査などの手続きを行わないと、違約金の対象となってしまいますので、注意が必要です。
フラット(住宅金融支援機構)
フラットとは、
住宅金融支援機構の住宅ローン
のことです。
フラット35は、最長35年の全期間固定金利住宅ローンで、借入期間の短いフラット20(15年以上20年以下)というプランもあります。
一般の銀行との大きな違いは、
・固定金利のみ
・非正規雇用(派遣社員・アルバイト・契約社員)の方も対象になる
という点です。
また、審査については、いくつかの審査項目がありますが、返済負担率については、下記内容となっています。
・返済負担率が、下記以下であること
年収400万円未満 30%
年収400万円以上 35%
(住宅ローン以外のお借入れがある場合は、それらも含んだ総返済額が上記以下であること)
(参考)フラット 公式サイト
また、フラットの窓口は、銀行によっては対応している先もあり、その他、取次店も複数があります。
不動産会社で紹介してくれる場合もあります。
フラットの取次店の中には
手数料の設定が高額な場合
もありますので、複数の業者を比較検討されることをお勧めします。
フラットの取次店の中には、下記のような先もありますので、ご注意下さい。
(参考)マンション融資不正
まとめ
住宅ローンをどこで組むかは、悩ましい部分はありますが、
地元で馴染みのある金融機関
があれば、そこで相談することが一般的で、また、安心ではあります。
ネット銀行の場合、金利が低いので、魅力的ではありますが、上記に記載したような、
売買契約上のスケジュール
が、買主都合でズレてしまうリスクもありますので、慎重に検討する必要があります。
【参考】
ネット銀行の住宅ローンを利用されている人の中には、
金利の高い時の住宅ローンからの借り換え
をされる場合もおられます。
その場合は、借り換えの為の手数料を計算しての判断にはなります。
以上、マンション購入の検討時の「住宅ローンの銀行選び」についての説明でした。