マンションを購入する際の、
所有権の移転手続き費用
について、詳しく知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
不動産を購入する際には、所有権を移転する手続きを行います。通常は、司法書士さんに手続きを依頼します。その費用などについてわかりやすく説明しています。
マンションを購入する際の諸経費のひとつに、
所有権の移転登記の費用
があります。
これは、マンションを購入した際、
法務局にその所有権が移転したことを届け出て、登記簿に反映する
というものです。
実際の登記の申請手続きの際には、通常は、司法書士さんに依頼します。
※登記手続きは、個人でもできますが、住宅ローンで物件を購入する際は、
抵当権の設定も同時に行う必要
があり、また、事前に銀行に設定書類の確認などが必要な為、実際は、個人で対応するのはお勧めしません。
登記費用は、物件によって異なりますが、費用や必要書類、注意点については、下記内容になります。
所有権移転登記費用について
司法書士さんからの見積書の内訳は、基本、下記内容になります。
・登録免許税(法律で定められら費用)
・司法書士さんの手数料
・その他の費用
各内容について順に説明します。
登録免許税額
登記を行う為の「実費費用」になります。
金額を算出する為の計算式が定められています。
また、状況によって、軽減措置があります。
計算式の金額は、固定資産評価額を元に算出することになります。
また、住宅ローンの場合は、その借入額に対して算出されます。
建物
新築マンション(所有権保存登記);固定資産税評価額×税率0.4%
中古マンション(所有権移転登記);固定資産税評価額×税率2.0%
固定資産税評価額は、市町村が交付する「評価証明書」や、「課税通知書」に記載されていますが、これは、
物件の所有者
しか取得ができません。
(「評価証明書」は、所有者からの委任状をもらって、代理で取得することはできます)
また、司法書士さんも権限で評価額だけを確認できる場合もあります。
※建物の登記については、特例期間中は、下記条件での軽減措置があります。
新築マンション;税率:0.4%→0.15%
中古マンション;税率:2.0%→0.3%
軽減措置の条件
・住宅用家屋証明書(住宅用の物件であること)
・登記簿上の床面積が50平米以上
・取得してから1年以内に登記
・築25年超の場合は「耐震性を有することの証明書」
土地(敷地権)
固定資産税評価額×税率2.0%
(特例期間中の場合は、1.5%)
※マンションの場合の土地は、敷地権というものになります。
通常、敷地利用権だけを個別に売買できません。あくまで、建物の専有部分とのセットになります。
マンションの建っている土地の敷地権の割合は、建物に対する専有部分の床面積の割合によって算出されます。
抵当権設定(住宅ローン利用)
借入額(債権額)×0.4%
※軽減税率の適用の場合; 借入額(債権額)×0.1%
【補足】「固定資産税の評価額」の確認方法について
不動産の売買の際には、不動産会社が、固定資産に関する書類を事前に確認します。
これは、
固定資産税の清算
や、
所有権移転費用の見積もり(司法書士さん)
の為に、確認が必要になるからです。
ですので、事前に物件の固定資産税評価額を知りたい場合は、不動産会社に確認することになります。
もっとも、不動産会社でも、それらの書類を取得するのは、契約取り交わしの前になる場合が多い為、申込み前の段階では、確認できないケースもあります。
司法書士さんへの手数料(司法書士報酬)
司法書士法が平成15年4月より施行され、司法書士報酬が自由化されました。
ですので、
司法書士事務所によって、報酬金額が異なる
ということになります。
マンションの購入の際は、
・所有権保存登記に関わる手数料
・抵当権設定登記に関わる手数料
が必要となります。
所有権保存登記に関わる手数料
所有権保存登記に関わる手数料の参考データとしては、下記のような資料があります。
日本司法書士連合会
司法書士の報酬と報酬アンケートについての詳しい説明はこちら(PDF)
上記資料によると、
売買を原因とする土地1筆及び建物1棟(固定資産評価額の合計1000万円)の所有権移転登記手続
の場合、
3~10万円前後
と幅があります。
抵当権設定登記に関わる手数料
同様に、抵当権設定登記に関わる手数料としては、
2~7万円前後
となっています。
その他の費用
状況によっては、
登記完了後の謄本取得
や、
出張費など
の諸経費も加算される場合もあります。
【補足】住宅ローンの事前審査の時点では、概算でOKです。
住宅ローンで、
所有権移転費用も含めて借り入れする
場合もあります。
ただ、住宅ローンの事前審査の段階では所有権移転費用の見積もりはまだでていない場合が多いので、概算で算出します。
不動産会社の担当者が、その物件の類似物件の金額から、所有権移転費用の概算を把握している場合もありますので、相談してみましょう。
所有権移転登記に必要な書類
所有権移転登記の際に必要となる書類に関しては、
住宅ローンを利用するかどうか
で必要な書類が異なっています。
現金で購入する場合
マンションを現金で購入する場合は、抵当権をつける必要がありません。
その際に必要な書類は、通常、下記になります。
・身分証明書(司法書士さんが、本人確認の為に使用します)
・印鑑
・住民票
住民票に関しては、新住所によるものを用意することで、自身の住居用で購入するという判断をします。
住居用での購入ということで、登録免許税の軽減措置の対象となります。
住宅ローンの場合
上記に記載の、身分証明、印鑑、住民票の他に、
抵当権設定の為の書類
が必要となります。
これは、住宅ローンを組む金融機関側で用意しますが、細かい調整は、通常、司法書士さんに行っていただきます。
ですので、司法書士さんには、事前に、どの金融機関で住宅ローンを組む予定なのか、担当者の連絡先などを伝えておく必要があります。
まとめ
司法書士さんの手数料は、幅があり、実際、高い司法書士さんもいます。
逆に、かなり安い司法書士さんもいますが、あまり安すぎる先は、それはそれで、なぜそんなに安くしているのか逆に不安になってしまいます。
また、以前に大手のハウスメーカーのお客さんの土地を仲介した際、そのハウスメーカー指定の司法書士さんが、遠方の司法書士さんで、また、費用もかなり高かったことがありました。
遠方の司法書士さんをわざわざ指定するような場合など、疑問が生じるようなケースは注意しましょう。
以上、「登記費用には、どれくらいかかるのか?」についての説明でした。