新築マンションのモデルルームを見る際の
注意点
があれば知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
新築マンションを検討する際には、中古マンションとは販売方法を含め、異なった点がいくつかあります。それらの注意点について解説しています。
建築がこれからという新築マンションの場合は、
モデルルーム
を見て、完成後のお部屋のイメージを持つことになります。
もちろん、あくまでモデルルームですので、実際の部屋とは異なります。
ですので、仮に実際にその物件を購入した際、
完成前のイメージと、完成後の状態とのギャップ
がなるべく生じないように、注意する必要があります。
また、新築マンション特有の営業スタイルにも注意が必要です。
主な注意点について以下に順に説明していきます。
新築マンションの販売手法について
新築マンションの場合、通常、モデルルームが用意されていて、そこで提案を受けることになります。
私の知り合いで、モデルルームで衝動的に申込書にサインしてしまった人がいました。
そういう場面では、例えば、営業担当者が、
「残りわずかです」
とか言って、申し込みを急かすような言動をすることがあります。
しかしながら、通常、新築の分譲マンションの販売では、
1期、2期、、
と、販売期を分けて分譲します。
その期の販売戸数が残り少なくなっていても、最終期でない限り、次の期での販売があるわけです。
ですので、全部で、何期に分けて販売する予定なのかも、確認しておくと良いでしょう。
もっとも、角部屋など、その期にしか無い物件は、状況に応じての検討となります。
こういった、何期かに分けて販売する手法は、
一度に販売してしまうと、人気のある部屋が先に売れてしまう為、売りにくい住戸が多く残ってしまうリスクを回避する
といった事や、
1期目の販売が終わった時に、「1期目完売」といいたことをアピールできる
といった理由によります。
また、1期目の状況をみて、2期目には価格面の見直しを行う場合もあります。
最終販売や、どうしてもその期でないと買えない物件がない限りは、あまり焦らずに、しっかりと検討して結論をだすことをお勧めします。
モデルルームについて
モデルルームは、専門の業者が作っていますので、素敵に演出しています。
特に女性は、心動かされることが多いでしょう。
私の知り合いも、モデルルームで衝動的に申込書にサインしてしまった人がいました。
できるだけ、その場で決めずに、下記のポイントに注意して、冷静に検討することをお勧めします。
モデルルーム自体は広めの間取りで作っている場合が多い
例えば、分譲する間取りが、4LDKと3LDKの物件の場合、傾向としてはモデルルームは、
広いほうの4LDK
でつくられるケースが多いようです。
ですので、実際に検討している間取りと違いがあるようでしたら、実際に検討している間取りを想定して、検討する必要があります。
家具類が小さめ
お部屋を広く見せる為、
家具類が小さめになっている場合
が多いです。
ダイニングテーブルはもちろん、例えば、寝室のベットも、小さいサイズのものを使っていると、マンションを購入後に、予定していたサイズの家具などを配置した際に、狭いと感じる可能性がでてきます。
特に、洋室があまり広くない間取りの場合は注意しましょう。
その間取りの平米数を確認して、実際のイメージを持たれることをお勧めします。
設備に関して
モデルルームの設備に関して、標準でついているものと、有償オプションのものがあります。
例えば、キッチン天板の御影石は有償オプションだったりする場合があります。
通常は、オプション品はわかるようになっていますが、気になるものがあれば確認しておきましょう。
天井高について
天井の高さは、居住性に大きく影響します。
モデルルームの見学の際は、
完成後の居室の天井高
がどれくらいになるか確認しておきましょう。
ちなみに、
天井高の平均的な高さは、2.4mm
ですが、
最近では2.5mが標準
となっています。
もちろん、居住空間としては、高いほうが好ましいです。
また、天井高の他に、「階高」というものがあります。
これは構造的な意味合いでのその階の高さになります。
階高は、概ね、
3m前後
になります。
階高に関しては、居室の構造が、2重床、2重天井の場合、その分、高さが必要になります。
2重床、2重天井というのは、構造的なコンクリートの床、天井(構造床・スラブ)と、床材、天井材の間に、スペースを設けているような造りのことです。
そのほうが、配管、配線のスペースも確保でき、また、リフォームもしやすくなります。
逆に、直床にして、階高を低くしている場合もあります。
時価床とは、床、天井(構造床・スラブ)に直接、床材、天井のクロスなどを施工するような造りのことです。
よく、床材が、「ふわっとした感触のもの」を使っているマンションがありますが、その場合は、直床の場合が多いです。
表面の見た目は、フローリングの木目調にはなっていますが、合板とは違い、クッション素材を使用した床材です。
ですので、天井高を確認するとともに、2重床、2重天井になっているかどうかも確認しましょう。
※階高が低い場合は、直床、直天井になっている場合が多いです。
ちなみに、階高を低くすると、その分、階数が増え、販売する住戸が多くとれるという面があります。
2重床・2重天井、直天井・直床と2重天井について(補足)
直床の場合、床下の配管スペースがない為、部分的に配管の為の段差ができてしまいます。
同様に、直天井の場合も同様に、排気ダクトなどの為に、部分的にすっきりしない箇所(下がり天井)がでてきてしまいます。
それに対して、2重床は、床のコンクリート(スラブ)に防振ゴムでできた支柱をたてて、その上に床をはる構造です。
ですので、通常のフローリング材を使用します。
2重床の場合は、床下に空間ができますので、配管がすっきりします。
また、リフォームもしやすくなります。2重天井についても同様です。
2重天井のほうが、天井部分がすっきりします。
ですので、結論としては、2重床、2重天井の物件をお勧めします。
将来的なリフォームの場合も、2重床、2重天井のほうが断然やりやすくなります。
【参考】床版(構造床・スラブ)
また、上の階からの遮音性については、その床版(構造床・スラブ)厚みが影響します。
厚みについては、200mmは必要と言われています。
また、230mm以上あれば遮音性の高いマンションと言えます。
壁の厚みについても、最低180mm以上は必要です。200㎜以上あれば安心です。
できれば、図面を見せてもらって確認しておくと安心です。
■参考;マンションの天井高についての注意点
■参考;マンションの上の階からの騒音について
部屋の向き、眺望について
部屋の向き、眺望については、中古マンションも含めて、重要なポイントとなります。
モデルルームでは、わからないので、現地に出向いて確認することになります。
建築中の場合は、検討している階での確認ができませんが、現地を見て、お部屋からの眺望を遮るような高い建物がないかをチェックします。
また、稀に、
隣の敷地に、続いてマンションが建設予定になっている
というようなケースもあります。
そのような場合は、数年後に、ベランダからの眺望に影響がでます。
実際に、このような事例での裁判になった事案もありますので、注意が必要です。
また、直近の建設予定はないものの、隣地に広めの空き地や、駐車場などがある場合も、注意しておくべきと言えます。
その他のチェックポイント
具体的に検討するお部屋がある場合は下記のこともチェックしておきましょう。
エレベーターとの位置関係
住戸とエレベーターの位置が近いと、特に夜に、エレベーターの機械音が気になる場合があります。
また、エレベーターホールに近いと、そこの人の気配が気になったり、あるいは、エレベーターホールの前のお部屋ですと、玄関ドアを開けたときに、部屋が見えてしまうリスクがあります。
各住戸の価格に関してのチェック
各住戸の価格は、上の階ほど高額になっています。
また、角部屋かどうかなどによっても価格の幅があります。
価格については、
ある程度、規則的に価格が設定されている場合
と、
不規則な設定の場合
があります。
例えば、〇階までは、階が上にいくほど概ね、100万円刻みだったのが、〇階からは、200万円上がっている場合などは念の為、注意しておきましょう。
例えば、眺望などの関係で、なにか価格帯を変えざる得ない理由の可能性もあります。
担当者にその理由を確認しておきましょう。
価格交渉について
新築分譲マンションの場合でも、価格交渉ができる可能性があります。
販売開始すぐと、ある程度の期間が過ぎてからの場合など、タイミングの問題もあります。
例えば、その期の販売の売れ残りをなくす為にある程度の交渉に応じてくれるケースもあります。
(もっとも、その期で売れ残った物件を、次の期の販売にまわす可能性もありますが。)
いずれにしても、高額な物件ですので、価格交渉、あるいはオプションなどの価格面の相談は行っておいたほうが良いでしょう。
申込金について
具体的なお話しなり、物件の申し込みをするとなった場合に、
申込金
を要求される場合があります。
その際、万が一、キャンセルした場合の申込金の扱いを確認しておきましょう。
キャンセルの場合は申し込み金を返却してもらう必要がありますので、そのことの確認になります。
まとめ
新築マンションの場合、基本的なチェックポイントは、中古マンションと同じですが、販売方法などの点で、上記に記載したような注意点があります。
また、上記以外にも、もちろん、ロケーションに関してもチェックが必要です。
物件と駅からの距離や、道筋、歩道があるか、街灯があるかなど、安全に行き来できるかや、学校、商業施設、病院など学校の学区や、普段使うお店、病院などの位置関係も確認しておきます。
また、エリアによっては、近隣に、工場や商業施設などがあることもあります。
特に、工場の場合は、風向きによって匂いがくる場合があります。
同様に、幹線道路や鉄道などがある場合も、位置関係に注意して、騒音の影響を受けそうかを確認しておきましょう。
以上、「新築マンションのモデルルーム見学時の注意点」についての説明でした。