マンション選びの時の「販売資料」の
どの部分に気を付けて見るといいのか?
を知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
物件の「販売資料」の見方についてわかりやすく説明しています。
マンションの物件概要の箇所には、その物件を販売するにあたって、その物件の総戸数や、専有面積など、
必要な項目
が記載されています。
中古マンション選びの際には、それらの各項目をチェックしていきます。
それらの情報を確認するにあたって注意する点について、下記に記載します。
順に見ていきましょう。
物件情報(販売資料)の見方について、
わかりやすく説明しています。
総戸数
マンションの総戸数は、意外に重要です。
なぜなら、マンションの総戸数は、管理費や、修繕積立金の金額にも影響があるからです。
一般的には、
住戸数が多いと1住戸あたりの負担が 比較的少なくなる
ということがいえます。
逆に、注意すべき点は、
そのマンションの戸数が少ない場合
です。
エレベータなどの設備メンテナンス含め、最低必要な費用がありますので、小規模マンションで戸数が少ない場合は、
各住戸の負担額が多くなる
可能性が高くなってしまいます。
但し、
住戸数500戸以上の大規模マンション
や
タワーマンション
の場合も、管理費、修繕積立金が高くなる傾向にありますので、注意しましょう。
あわせて、大規模修繕の際に、その費用負担の為に、一時金が必要な場合も、その負担金が多くなってしまうリスクもあります。
戸数については、一概に言えない面がありますが、少なくとも、上記のようなポイントは意識しておきましょう。
(また、小規模マンションの場合、組合理事がまわってくる頻度も多くなります。)
小規模なマンションは、管理費等の負担が増える可能性があります。
大規模なマンションやタワマンは、修繕費が高くなる傾向があります。
専有面積
居住部分の面積ですが、販売資料には、「壁芯」といって、壁の中心から測った面積が記載されている場合があります。
例えば、新築分譲マンションの場合は、通常、壁芯での面積が記載されています。
ですので、実際の居住スペースは、記載の面積より若干少なくなります。
逆に、「内壁」面積の場合は、その住戸の壁の内側の面積となり、実際の居住スペースの面積になります。
登記簿に記載の面積は、実際の面積になります。
ちなみに、販売資料に記載の面積が、壁芯になっている理由としては、少しでも、面積を広く見せたいという理由によります。
ですので、実際の部屋の広さをみたときに、物件資料に記載の面積よりちょっと狭いなと感じた場合は、壁芯での面積記載の可能性が高くなります。
バルコニー面積
バルコニーは共用部分になる為、専有面積には含まれません。
専用使用権という扱いになります。
ですので、物件概要に記載の面積には、バルコニー部分は含まれていません。
昨今は、家時間が長くなることを考慮して、バルコニーをかなり広めに設計している物件も増えてきました。
バルコニーが広いと、いろいろな使い方ができて便利ですね。
ただ、バルコニーは、非常時には、避難通路としての役割もあります。
その為、マンション購入後に、ベランダに置くことができるものの制限があります。
詳細は、マンションの管理規約に記載がありますが、物置などの大きなものを置くことは、NGになります。
管理形態
一般的に、マンションの清掃、管理人さんの手配などは、通常は、マンションの管理組合の依頼を受けた管理会社が管理する「委託管理」の形式をとるマンションが多数です。
まれに、住民が自ら管理する「自主管理」の場合があります。
例えば、団地の場合は、自主管理が多いですが、稀に古いマンションの場合、自主管理の場合があります。
自主管理の場合は、管理組合で対応する業務も増えます。
管理組合の理事は、住民が順番に対応することになりますので、理事がまわってきたときには、注意が必要です。
敷地の権利形態
通常、マンションの所有者は、その敷地を利用する権利、いわゆる「敷地利用権」を有することになります。
敷地利用権の内容としては、ほとんどが
所有権
です。
しかしながら、もし、「定期借地権付きマンション」といったように
「借地権」の場合は、要注意
です。
地代が発生する上、基本、決められた期限で更地にして地主に返却しなければなりません。
結果、売却もしずらいこととなります。
敷地の権利形態が、借地権と記載がある物件は、要注意です。
ただ、ほとんどのマンションの場合は、所有権での設定にはなりますが、「定期借地権付きマンション」の場合には、気をつけましょう。
駐車場
駐車場の台数はチェックしておきましょう。
住戸数と同じであれば、基本、1台分の割り当てはある
と想定されます。
逆に住戸数より少ない場合あ、駐車場の割り当てが不足していますので、近隣の駐車場を確保する必要がでてきます。
また、マンションによっては、稀に、優先使用権のある駐車場が存在しているケースがあります。
これは、マンションの販売時に、駐車場スペースも分譲されている場合などの理由によります。
特に、駐車場が住戸数分確保されていない物件の場合、特定の住人が使用する権利を持っている駐車場があるということで、住民間の不公平感が生じることがあります。
管理費・ 修繕積立金
管理費・ 修繕積立金の平均は、
管理費 ;15,000円前後
修繕積立金 ; 6,000~7,000円前後
と言われています。
もっとも、規模や地域によっても差があります。
首都圏の情報は、下記の東京カンテイの資料が参考になります。
(参考)首都圏の管理費と修繕積立金( 東京カンテイ )(PDF)
注意点としては、
修繕積立金が安い場合
です。
修繕積立金とは、修繕計画に沿って、毎月積み立てていく費用になります。
また、金額に関しては、将来改定される場合もあり、その際は、計画的に金額が変更になります。
修繕積立金が一般的な金額より低い場合は、大規模修繕の実施前に、必要に応じて住民に一時金として追加徴収されるケースもありますので、注意が必要です。
物件を購入してすぐに、一時金が発生するようなケースでは、想定外の出費となってしまいます。
管理費に関しては、例えば、共用部分にトレーニングセンターがあったりと、豪華な設備が揃っているマンションの場合、管理費も高くなります。
あまり必要のない設備があるようなケースでは注意が必要です。
用途地域
都市計画で定められた、その地域がどのような用途の地域かを記載されています。
住居系の地域や、商業地域、あるいは工業地域(準工業地域)
があります。
工業地域でも住宅を建てることができます。
臨海エリアのタワーマンションなどは、工業地域に建っている場合が多くあります。
物件が工業系の地域内にある場合は、周辺に工場からの騒音などに注意が必要です。
建ぺい率
土地面積に対する建築面積(建物を上からみた時の面積)の割合になります。
数値によっては、敷地いっぱいに建物が建っているケースもでてきます。
特に商業地域では、建蔽率の数値も大きい為、周辺の建物が密集する可能性が高くなります。
建物が密集した場合、ベランダからの視線などのプライバシーの問題や、風通しの問題がでてきます。
駅から距離
対象物件と、最寄り駅からの距離に関しては、
徒歩1分が約80m
に相当するものとして計算さます。
端数がでた場合は、切り上げて1分とします。
なるべく駅近を強調する為、短めの時間を記載しているケースもありますので、実際に、歩いてみてチェックされることをお勧めします。
また、距離だけでなく、
・駅からの経路に、歩道があるかどうか、
・夜間の安全性はどうか(街灯など)
といった点も大切なチェックポイントになってきますので、実際に、最寄り駅まで歩いてみてチェックすることをお勧めします。
さいごに
物件資料の記載は、ざっと目を通すだけの場合が多いですが、細かくチェックしていくと、いろいろなことがわかります。
一般的な内容であれば、あまり心配する必要はありませんが、なかには、上記に記載したようなイレギュラーな内容が記載されているような物件もあります。
そんな場合は、不動産会社の担当者に、細かい情報を確認して判断するようにしましょう。
物件資料(販売資料)の情報を細かくチェックすることで、いろいろなことがわかりますね。
以上、概略的ではありますが、マンションの販売資料(物件概要)の見方についての説明でした。