仲介手数料が、「無料」や「半額」といった会社を利用する際の、
注意点
があれば知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
昨今は、仲介手数料についても、いろんなパターンを提示してくる会社も増えてきました。それらの会社を利用する際の注意点などについてわかりやすく説明しています。
最近、仲介手数料を
無料(最大無料)や半額
にしている不動産会社を見かけるようになりました。
そういった不動産会社を利用するには、いくつかの、
「注意点」
があります。
下記に順に説明していきます。
住宅を購入する際の「仲介手数料」について
仲介手数料については、
宅建業法
という法律で、規定がなされています。
仲介手数料の計算式は下記になります。
上記のルールは、
金額の上限についての規定
です。
ですので、法的には、金額を下げる分にはOKということになります。
仲介手数料の「減額設定のパターン」について
仲介手数料を減額して設定している不動産会社の場合、その会社ごとに設定内容が異なっていますが、主に、下記のようなケースがあります。
その内容について順に説明します。
仲介手数料が無料(最大無料)の場合
下記の2つのパターンがあります。
A.売主が不動産会社(業者)の場合
不動産会社(業者)が売主の場合は、
間に仲介業者が入りません
ので、結果、仲介手数料は発生しません。
B.売主側からの仲介手数料をもらって、買主側は「無料」にしている場合
売主側についている不動産会社が、
買主側の仲介会社も兼ねる場合
は、通常は、両方から仲介手数料をもらうことになります。
(両方から仲介手数料をもらうので、業界用語で、「両手」と言います。)
そういった場合に、不動産会社のなかには、
買主さん側の仲介手数料を「無料」にしている
ケースがあります。
特に、
新築の建て売り住宅をメインで取り扱っている会社
の中には、こういった設定をしている会社が見受けられます。
マンションの場合では、
売主と仲介の契約(媒介契約)と取り交わしている不動産会社
で、尚且つ、
買主さん側の仲介手数料を「無料」にするという方針の会社
に限られてきます。
また、物件の価格によって「最大無料」としている場合もあります。
つまり、販売価格が低いと、売主側の仲介手数料も低くなってしまう為、物件の価格にあわせて仲介手数料の値引き幅を調整するような会社もあります。
仲介手数料が半額の場合
この場合も2つのパターンがあります。
C.売主側からの仲介手数料をもらって、買主側は「半額」にしている場合
上記の売主側の不動産会社が、買主側の仲介を行う際に、
買主側の仲介手数料を「無料」ではなく、「半額」
にしているケースです。
D.買主側の不動産会社が、「半額」にディスカウントしている場合
売主側の不動産会社は別にいますが、その上で、
買主側の不動産会社が単に、仲介手数料のディスカウントしている
というケースです。
(売主側の不動産会社は別ですので、その不動産会社は、買主側のみの仲介手数料になり、それをディスカウントしている)
補足;不動産の仲介のパターンについて
不動産の仲介の説明について、ちょっとややこしい部分があります。
不動産の仲介のパターンのパターンについて、整理しておきます。
図にすると、下記のようになります。
それぞれのケースの注意点
上記のA~Dのそれぞれのケースにおいて、注意点を下記に説明いたします。
A.売主が不動産会社(業者)の場合
不動産会社(業者)が売主の場合、通常は、
その物件を仕入れて、場合によってはリフォームを行い、価格を設定して、販売する
という流れになります。
もちろん、利益をとれる価格に設定しますし、その前にそのような設定ができるような価格で物件を仕入れます。
稀に、相場より高い価格の物件があります。
もちろん、リフォーム済み物件の場合、販売価格が上振れはしますが、内容的に適正かどうかもチェックしましょう。
また、なかには、
壁紙の張り替えだけで、リフォーム済み物件をアピールしているような場合
もあります。
また、不動産会社(業者)が売主の場合、最初から、値引き交渉を予定して価格設定している場合もあり、結果、高めの設定になっているケースもあります。
仲介手数料が無くても、結果、高い買い物にならないように、
売買相場の数値を確認して適正と思われる価格かどうかチェックする
ことをお勧めします。
B.売主側からの仲介手数料をもらって、買主側は「無料」にしている場合
この場合は、その会社で扱う物件が、
売主側と仲介の契約(媒介契約)
を取り交わしている物件に限られます。
ですので、結果、
扱う物件数が限定
されてきます。
仲介手数料が無料でも、条件に合う物件でなければ意味がありません。
たまたま、条件に合う物件を扱う会社が、仲介手数料無料であれば良いのですが、そうでない場合の優先度合は、
仲介手数料が無料になることよりも、「条件に合う物件があるかどうか」のほうが上
です。
ですので、仲介手数料が無料の物件を探すのではなく、まずは、条件に合う物件を広く探すことを優先すべきと言えます。
C.売主側からの仲介手数料をもらって、買主側は「半額」にしている場合
上記のBと同じく、売主側に不動産会社が、買主側にもつく場合、
会社によっては、買主側を無料にするのではなく、半額にしているような場合
もあります。
注意点は、上記のBに記載の内容と同じです。
D.買主側の不動産会社が、「半額」にディスカウントしている場合
この場合は、単に仲介手数料を値引き設定しているケースです。
このケースでの注意点としては、
その会社が信頼できる会社かどうか
です。
仲介手数料が安くなっても、しっかりとした取引ができなければ、本末転倒になってしまいます。
仲介手数料が安くなるのは、買主側からするとうれしいのですが、不動産会社の担当者からすると、その分、自身の売上げが少なくなるので、件数をこなす必要がでてきます。
その場合、状況によっては、物件の案内から契約、決済までの一連のフローの丁寧さが損なわれるような懸念も生じてきます。
また、「仲介手数料を無料や安く設定している会社」の元社員のコメントをみると、一般の不動産会社と比較すると、かなりワガママなお客さんの割合が高く、疲弊している社員もいるケースがあるようです。
いずれにしても、手数料の安さだけではなく、信頼できる不動産会社どうかの判断が前提になると言えます。
また、会社によっては、仲介手数料以外の名目で、
費用
を請求するようなケースもあります。
取引に際して、実際に発生する費用について、念の為、事前に確認しておくことが必要です。
いずれの場合も、仲介手数料が安いという面で選ぶのではなく、
その不動産会社に仲介してもらうことで、安心して取引ができるかどうか
という視点をもつことが大切であると言えます。
さいごに
仲介手数料を低い設定あるいは、無料の設定にしている会社で、尚且つ、
信頼できる
会社であれば、その不動産会社での仲介を検討しても良いでしょう。
少なくとも、
仲介手数料の金額的な部分だけ
で不動産会社を選定するのは、あまり良い方法とは言えません。
やはり、
信頼できる不動産会社かどうか
が前提となります。
また、注意点として、
既に、物件の内見を手配してもらった不動産会社
があり、その同じ物件を、仲介手数料が低いあるいは無料というだけの理由で、別の不動産会社で購入するといった場合は、「トラブルの原因」となる場合があります。
できれば、内見を依頼した不動産会社で購入を進めるのが望ましいと言えます。
折角のマンション購入が、後味の悪いものになってしまいますので、注意しましょう。
しかしながら、
内見を依頼した不動産会社が、信頼できそうにない会社だった場合
は、別の不動産会社で進めても、合理的な理由となると言えます。
以上、「仲介手数料が無料のケースについて」についての説明でした。