マンションが
2重床か、直床(じかゆか)かどうか
の見分け方を知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
マンションには、床の仕様として、2重床と直床(じかゆか)があります。
おすすめは、2重床のほうです。どちらなのかをチェックする為に参考となるポイントを説明しています。
マンションの床には、
2重床
と
直床(じかゆか)
の2つのパターンがあります。
2重床の場合、
間取りの変更
や、
フローリングなどを含めたリフォーム
を行う場合に、対応がしやすいという面があります。
逆に、直床(じかゆか)の場合は、そういった自由度が低い仕様になります。
しかしながら、物件概要には、2重床かどうかの違いまでは記載されていません。
また、間取り図をみてもわかりませんので、物件資料からの判断はせきません。
ただ、実際にその物件を内見される際には、その区別の手掛かりとなるチェックポイントがあります。
下記に補足説明とあわせて記載します。
直床か2重床かどうかは、内見の際に、実際に室内をチェックすれば、だいたいは、判断できます。
チェックするポイントは、下記に記載している内容が参考になります。
2重床と直床(じかゆか)の違い
まず、2重床と直床(じかゆか)の違いについて確認しておきます。
2重床
2重床は、
RCの構造体の床の部分(スラブと呼ばれている部分)と、床材の間に空間がある施工方法
のことです。
仕様としては、
RCの構造体の床の部分(スラブと呼ばれている部分に支持ボルトを立てて、その上に床材を置く構造
になっています。
ですので、その間の空間に配管、配線を通すことができます。
下記の図の、グレーの箇所が、
「スラブ」
になります。
床の位置にあるスラブが、下の階の天井のスラブとなります。
画像引用;画像は、下記から引用しています。▼
直床、二重床とは?快適な生活を支える床の構造 https://futokoro-times.com/articles/trivia-vol10_floor_jikayuka-nijuyuka.html
床スラブとフローリングの間に空間があるのがわかります。
結果、リフォーム時の間取り変更にも柔軟性があり、また、床材を選び際の選択肢も増えることになります。
但し、床材を選ぶ際には、通常、マンションごとの規定で、遮音性能のレベル規定がありますので、その条件を満たしたものを選定することになります。
直床(じかゆか)
直床(じかゆか)の場合、
RCの構造体の床の部分(スラブと呼ばれている部分)に直接床材を施工する
という仕様になります。
ですので、間に空間がない為、配管、配線などは、スラブ部分にスペースを設けて設定します。
画像引用;画像は、下記から引用しています。▼
直床、二重床とは?快適な生活を支える床の構造 https://futokoro-times.com/articles/trivia-vol10_floor_jikayuka-nijuyuka.html
その為、マンションの中には、
見た目はフローリングですが、歩くとふわふわした感じのクッション性のある床材
を使用している物件もあります。
RCの構造体の床の部分(スラブと呼ばれている部分)と床材の間に空間が無い為、配線や配管は、
スラブを削ってスペースを確保する
などといった方法になります。
また、団地の場合は、 直床 (じかゆか)が一般的です。
直床の場合は、一般的に、下記のような施工となります。
画像引用;画像は、下記から引用しています。▼
リノベガイドvol.5 床について知ろう!その2 https://tsukuro.org/archives/2074
なぜ、直床(じかゆか)のマンションがあるのか?
直床(じかゆか)の場合は、通常、天井も「直天井」の場合が多くなります。
その理由は、
「スラブと床」、「スラブと天井」の間の空間を確保する必要がない
からです。
その結果、階高が低くなりますので、建築コストの面もさることながら、
階数を多く設計できる可能性がある
という理由があります。
例えば、設計によっては、
20階建てのマンションを、21階にできる
という場合があります。
それに対して、2重床の場合、建物の設計上、
直床に比べると、階高の高さ
が必要となります。
そのかわり、床や天井のおさまりがよくなり、先に記載したように、リフォーム時の自由度が高くなるというメリットがあります。
マンションが直床(じかゆか)か2重床どうかのチェック
マンションが直床(じかゆか)か2重床どうかについてチェックポイントとしては、下記になります。
ただ、正確性を期す為には、図面での確認が必要となります。
下記は、あくまで、参考としての方法という位置づけとなります。
01.ベランダのコンクリート部分の床と高さと室内の床の高さを見る
マンションの構造として、基本、
ベランダの床面が、RCの構造体の床の部分(スラブと呼ばれている部分)上部の位置
になります。
厳密にいうと、
ベランダの床プラス床材の厚み
が、室内の床の位置にあれば、直床の可能性が高くなります。
逆に、ある程度の高さがあるようでしたら、2重床の可能性があります。
02.ベランダ側の掃き出し窓の下枠の箇所を見る
直貼り床の場合は、ベランダ側の掃き出し窓(大きい窓)の下枠の箇所が、
床から10cm前後高くなっている
場合があります。
逆に、2重床の場合は、もともとスラブからの高さがありますので、掃き出し窓の下枠も、床面と同じ高さに施工することができます。
ですので、掃き出し窓の下枠と、床の位置に、あまり差が無い場合は、2重床の可能性があります。
下記の写真をみると、
掃き出し窓の下の部分と、室内の床の高さがほぼ同じ
になっています。
この場合は、2重床の可能性が高くなります。
画像引用;画像は、下記から引用しています。▼
マドリモ 断熱窓 マンション用 https://www.ykkap.co.jp/consumer/products/window/madoremo-apartment
03クッションのあるフローリング材が使われている
上記にも記載しましたが、見た目、木目調のフローリングでも、木製ではなく、クッションの効いた部材を使っている場合は、直床の可能性が考えられます。
【補足】リフォーム時の注意点
マンションのリフォームをする際は、内容にもよりますが、基本、管理組合に事前に届け出が必要となります。
また、管理規約で、
リフォームの内容
についても基本的に規定があります。
例えば、玄関ドアや窓は共有部分になりますので、勝手にリフォームはできません。
(厳密には、玄関ドアの内側の色の塗り替えは可能な場合が多いです。)
特に、フローリングに関しては、基本、
防音性能面での規定
があります。
直床の場合は、クッションのきいた防音性能の高いフローリング材を使っていることが多く、フローリングのリフォームする際に、基本、管理規約で使用できる建材の性能の指定があります。
また、直床の場合、配管の位置が決まっている場合が多く、レイアウト変更も含めたリフォームには対応しづらい可能性が高くなります。
2重床の場合に関しても、もちろん、リフォームの内容や床材の性能などについて、基本、管理規約での規定はあります。
ただ、床材に関しては、構造上、RCの構造体の床の部分(スラブと呼ばれている部分)と床材との間に空間がありますので、一般的なフローリング材を使ってもよいケースもあります。
いずれにしても、詳細は、そのマンションの管理規約での確認になります。
さいごに、
上記に記載したように、天井の設計上の仕様についても、同様に、
直天井と2重天井
があります。
床と同様に、2重天井の場合は、その空間に配線、配管をおくことができますので、天井がすっきりします。
逆に、直天井の場合は、部分的に配線、配管をもうけるスペースを設ける必要がある為、天井面に凹凸がでてくるケースが見受けられます。
当然、
・2重床の場合は、2重天井、
・直床の場合は、直天井
となる場合が多いです。
内見の際に、どちらかがわかりずらい場合は、管理人さんにわかる範囲で聞いてみても良いでしょう。
また、管理室には、通常、建物図面や、管理規約なども設置されていますので、詳しい管理人さんであれば、2重床かどうか、教えてくれる場合もあります。
また、あわせて、リフォームされる予定の際には、事前の手続きや、リフォームに関する規約などについても確認しても良いですね。
以上、マンションが直床(じかゆか)か2重床どうかの見分け方についての説明でした。