マンションを検討する際の、
ペットに関する事項
について知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
マンションでのペットの飼育については、管理規約でルールが定められています。また、通常、ペット可の場合でも、細かいルールがありますので、注意が必要です。
マンションの購入を検討する際、
ペット可が良い場合
と、逆に、
ペット不可のほうが良い場合
に分かれます。
新築分譲マンションでの傾向をみると、
80%以上がペット可
となっており、現状は、
なんらかのルールを設けて、ペット可とする
というマンションがほとんどとなっています。
ただ、
アレルギーや、あるいは、ペットの鳴き声などの点を懸念される場合
は、ペット不可のマンションを検討したいところですが、ペット可のマンションが大半ということを考えると、
ペットの飼育に関して、しっかりルールが守られているかどうか
がポイントになってきます。
下記にペットに関する注意点等について、順に説明します。
マンションの管理規約に関して
ペット可か不可にするかは、そのマンションの
管理規約および使用細則
で定め、運用していくものになります。
マンションの管理規約は、マンションごとに異なっています。
ただ、国土交通省がそのひな形を開示していますので、ペットに関する箇所について、参考までに下記に転記します。
平成16年1月23日に国土交通省住宅局住宅総合整備課が公表した改正「中高層共同住宅標準管理規約(単棟型)コメント(PDF 7ページ以降に記載)
国土交通省のひな形書面 ▼
https://www.mlit.go.jp/common/000161665.pdf
第18条関係
1.使用細則で定めることが考えられる事項としては、動物の飼育やピアノ等の演奏に関する事項等専有部分の使用方法に関する規制や、駐車場、倉庫等の使用方法、使用料等敷地、共用部分の使用方法や対価等に関する事項等があげられ、このうち専有部分の使用に関するものは、その基本的な事項は規約で定めるべき事項である。
なお、使用細則を定める方法としては、これらの事項を一つの使用細則
として定める方法と事項ごとに個別の細則として定める方法とがある。
2.犬、猫等のペットの飼育に関しては、それを認める、認めない等の規定は規約で定めるべき事項である。基本的な事項を規約で定め、手続き等の細部の規定を使用細則等に委ねることは可能である。
なお、飼育を認める場合には、動物等の種類及び数等の限定、管理組合への届出又は登録等による飼育動物の把握、専有部分における飼育方法並びに共用部分の利用方法及びふん尿の処理等の飼育者の守るべき事項、飼育に起因する被害等に対する責任、違反者に対する措置等の規定を定める必要がある。
3.ペット飼育を禁止する場合、容認する場合の規約の例は、次のとおりである。
■ペットの飼育を禁止する場合
(ペット飼育の禁止)
第○条区分所有者及び占有者は、専有部分、共用部分の如何を問わず、犬・猫等の動物を飼育してはならない。ただし、専ら専有部分内で、かつ、かご・水槽等内のみで飼育する小鳥・観賞用魚類(金魚・熱帯魚等)等を、使用細則に定める飼育方法により飼育する場合、及び身体障害者補助犬法に規定する身体障害者補助犬(盲導犬、介助犬及び聴導犬)を使用する場合は、この限りではない。https://www.mlit.go.jp/common/000161665.pdf
■ペットの飼育を容認する場合
(ペットの飼育)
第○条ペット飼育を希望する区分所有者及び占有者は、使用細則及びペット飼育に関する細則を遵守しなければならない。ただし、他の区分所有者又は占有者からの苦情の申し出があり、改善勧告に従わない場合には、理事会は、飼育禁止を含む措置をとることができる。
マンションのトラブル
マンション内で発生するトラブルについては、いくつかのカテゴリーに分けることができます。
つまり、ペット可マンションの場合は、ペット関連のトラブルが上位になっていることがわかります。
ペットを飼われていないご家庭の場合にとっては、
ペット可マンションや、ルールが徹底されていないマンションはマイナス要因が増えてしまう
という一面があります。
マンションに関する統計・データ等(平成30年度) 国土交通省 ▼
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000058.html
ペット可のマンションの注意事項
ペット可のマンションの場合、
全面的に認めている場合
と、
限定的に認めている場合
の2つのパターンがあります。
全面的に認めている場合
全面的に認めている場合も、使用細則で運用上のルールがあります。
そのマンションを具体的に検討される際は、使用細則の内容について、不動産会社の担当者に聞いてみましょう。
限定的に認めている場合
限定的に認めている場合は、例えば、
・ペットの大きさ
・ペットの種類
・ペットの数
などにルールを設けています。
例えば、ペットの大きさについては、
体長〇〇センチ以内
などの規定があったりします。
ただ、犬の場合、結構成長しますので、微妙な部分もあります。
ペットの種類に関しては、ハムスターなどの小動物、鳥、爬虫類などの場合もありますので、その種類が規定されています。
もちろん、危険動物はNGです。
また、ペットの数についても通常は制限を設けます。
以前に、売却をお手伝いした団地の物件で、お隣りの住戸が猫を多頭飼いさてていて、共用部分の廊下まで、その匂いがものすごかったことがありました。
また、大型犬はNGの場合も多いので、大型犬を飼われている場合は、事前に確認が必要です。
管理規約、使用細則が途中で変更になる場合
管理規約、使用細則は、途中で変更になる場合もあります。
これは、ペットの飼育に限らず、マンションでの生活を良くしていく為に、適宜、その内容を追加修正していくますので、不自然なことではありません。
たとえば、近年では、管理規約で、分譲マンションでの「民泊」を規制する内容を追加すうケースも増えてきています。
不特定多数の宿泊者が勝手にマンションの敷地内に入ることは、平穏な生活を脅かされるリスクがありますので、当然のことと言えます。
ペット不可のマンションの場合
ペット不可のマンションの場合の注意事項としては、
内緒でペットを飼ってる住人がいる場合
です。
稀に、そのような人がいます。
ただ、内緒で飼っていても、結構、周囲にわかってしまうものです。
その場合は、管理組合からその住人に注意勧告、場合によっては裁判までいたるケースもあります。
いずれにしても、そういった場合も、
管理組合の管理水準が高いかどうか、
をみていく必要があります。
しっかりとルールが守られているマンションほど価値が高いあるといえます。
ペットを飼っている人がいるかは外からはわかりませんが、マンション内の整備がしっかりとなされているなどで、ある程度、その水準が推測できます。
さいごに
ペットに関することは、仲介する不動産会社に確認するとともに、物件の内見の際に、管理人さんにも、状況を確認しておくと安心です。
ペットに関しては、人によって考え方の違いがあります。
また、上記に記載したように、ペット不可のマンションの場合でも、将来的に
管理規約が変更になる可能性
もあります。
ただ、管理規約の変更の際には、
議決権の4分の3以上の決議
が必要となります。
ペット不可ということで、そのマンションを購入されている住民の方が多いようでしたら、議決でペット可になる可能性も低くなることが想定されます。
いずれにしても、ペットに関することは、ペット可が良い場合、ペット不可が良い場合のそれぞれにとって、そのマンションを選定する際の要件の一つと言えますので、事前にしっかりと確認しましょう。
以上、「マンションでのペット飼育について」についての説明でした。