マンションを購入する際に、
手付金
が必要と聞いたけど、具体的に知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
マンション購入の際には、通常、売買契約時に「手付金」を支払います。
あくまで、契約時に支払うものです。
また、新築マンションの場合、申し込み時に、
「申込金」や「申込証拠金」、「予約金」と呼ばれるお金
を要求されるケースがあります。その際は、後々のトラブルにならないように注意する必要があります。
マンションの購入時の売買契約の取り交わし時に、買主さんから売主さんに
手付金
を支払うことになります。
手付金は、売買代金の一部となります。
また、マンションの売買契約における流れを確認しておくと、基本、下記のフローとなります。
その物件の購入意思を明確にする為に、提出します。
法的な拘束力はありません。
売買契約時には、住宅ローンの事前審査の結果が必要となります。
但し、現金で購入する場合は、この限りではありません。
売買契約の際に、手付金の支払いを行います。
売買契約後に、銀行に「住宅ローンの本審査」の申請をします。
本審査のOKがでたら、銀行と、住宅ローンの契約を取り交わします。
物件の残金の支払いを行い、その当日に、所有権の移転手続きをします。
残金は、売買代金から手付金を差し引いた金額になります。
となります。
このフローの中の、
売買契約の取り交わし
のところで、売主に手付金を支払います。
この手付金は、売買代金の一部に充当されます。
ですので、
決済時
には、
売買代金から手付金の金額を差し引いた残金
を売主に支払うことになります。
下記に、手付金に関しての説明をしていきます。
「申込金」と、「手付金」とは異なります。
新築マンションの場合、申し込み時に、
「申込金」や「申込証拠金」、「予約金」と呼ばれるお金
を要求される場合があります。
これは、これは、手付金とは違って、単に、
物件の申込意思をしっかりと確認したい、
つまり、業者からすると、
キャンセルを防止したい
という意味合いがあります。
※これに対して、手付金は、「売買契約書」にその内容が記載されており、
売買契約にしたがって授受される金銭
となります。
申込金に関しては、金額的には、通常、
1万円~10万円
程度になります。
この申込金に関しては、トラブルに発展するケースがありますので、注意が必要です。
つまり、申込書自体には、法的な拘束力がないので、キャンセルすることが可能な訳です。
その際に、
申込金も返還
されるべきですが、それが返還してもらえないような時にトラブルになる訳です。
実際にそのような事案もあります。
ですので、申込金を支払う際には、
万が一、キャンセルの際には返還してもらう旨の書面
をとっておくと、安心です。
もっとも、キャンセルの可能性がある場合は、安易に「申込書」を提出することは、控えるべきです。
また、中古マンションの場合は、申込時に「申込金」を要求されるようなケースは、ほぼありません。
もし、そういったことがあれば、
要注意な不動産会社
と言えます。
気を付けましょう。
手付金の額はどれくらい?
手付金の金額をどれくらいにすればよいのかについては、
厳密なルール
はありません。
しかしながら、商慣習としては、
売買価格の5~10%
となっています。
しかしながら、昨今は、状況に応じて、それよりも低い場合もあります。
ただ、仲介する不動産会社、特に大手の不動産会社の場合は、あまり低い手付金の場合、受け付けないケースもあります。
また、手付金は、売買代金に充当されますので、決済の際には、
売買代金から手付金を引いた金額
を残金として支払う形になります。
手付金は、お手元の資金(現金)で対応します。
売買契約のタイミングが、
住宅ローンの実行の前
になりますので、手付金はお手元の資金で対応することになります。
つまり、マンションの購入の際には、
手付金分の現金を用意しておく
ということが必要になってきます。
ただ、住宅ローンの借入金額の中に、物件の売買金額の全額を含めておけば、
結果、手付分も含めた金額が住宅ローンで実行
されますので、先に手付で支払った金額は、住宅ローン実行後にお口座に残ることにはなります。
手付金を放棄して契約を解除する場合(手付金解除)
売買契約書の中に、通常、
手付金解除
の条項があります。
これは、手付金を放棄(手付金解除)して契約を解除する内容です。
また通常は、
契約日から〇日以内という期限
を設けます。
何らかの事情で、契約を解除したいときは、指定された期間内であれば、この「手付解除」で対応することになります。
逆に、売主側が手付解除することもあります。この場合は、受け取った手付金に、同額をプラスして買主に戻すことになります。
手付解除するケースは少ないですが、万が一、手付解除せざるをえなくなった場合、
手付金の金額が大きいと、その分、手付解除時の負担が大きくなる
ということになります。
融資特約による契約解除の場合は?
売買契約の取り交わしの後に、住宅ローンの本審査の手続きを行います。
通常、売買契約書の中に、
万が一、住宅ローンの本審査がNGの場合
は、
売買契約を白紙に戻す
という融資特約の条項を入れます。
その場合、売主は、売場契約の際に受け取った手付金を、買主に戻します。
ですので、売買契約のなかに、
融資特約という条項がはいっているかどうか
をきちんと確認しておきましょう。
また、融資特約に関連して、
・融資利用に必要な書類の最終提出日
・融資未承認の場合の契約解除期限(それまでに住宅ローンの本審査の結果がでていることが必要です。)
の日程も定められています。
銀行によっては、本審査に時間がかかる場合もあります。
ですので、ある程度、余裕を持った日程を設定しておく必要があります。
売買契約前に、事前に、不動産会社の担当者とどれくらいの日程での設定が妥当かどうか調整しておきましょう。
万が一、融資特約で、契約を白紙撤回せざるをえなくなった場合、
・本審査の書類の提出が、記載の日程より後になってしまったり、
・融資未承認の結果が記載の日程より遅くなってしまった
するようなケースでは、融資特約が適用されませんので、注意が必要です。
融資特約なしで、契約を解除しようとすると、
違約金
が発生してしまいます。
違約金の金額は、売買契約書に記載がありますが、売買金額の20%に設定することが一般的です。
金銭的なリスクが大きいので、十分な注意が必要です。
【補足】 手付金が高額のなる場合の保全措置
売主が宅建業者で、かつ、手付金が高額になる場合は、消費者保護の観点から、
保全措置
が義務付けられています。
これは、買主が手付金を支払った後、不動産会社が倒産してしまった際のリスクを回避する為のものです。
手付金が高額となる場合の定義としては、
・不動産が未完成の場合 手付金が売買代金の5%を超えている、もしくは1,000万円以上
・不動産が完成の場合 手付金が売買代金の10%を超えている、もしくは1,000万円以上
です。
条件に該当する場合は、売買契約書にその旨の記載がありますので、チェックしておきましょう。
中古マンションの売買の場合、通常、手付金の金額は、保全措置の手続きをとらないで済ませるため、
10%以下
にします。
以上、「売買契約における手付金について(中古マンションの買い方)」の説明でした。